主人公は、広島に暮らす小学5年生のあみ子。少し風変わりな彼女のあまりに純粋な行動が、家族や同級生など周囲の人たちを否応なく変えていく過程を鮮やかに描き出す『こちらあみ子』。
原作は「むらさきのスカートの女」で第161回芥川賞を受賞した今村夏子が、2010年に発表した処女作「あたらしい娘」(のちに「こちらあみ子」に改題)。本作で太宰治賞、三島由紀夫賞をW受賞して以降、新作を発表するたびに現代文学ファンの間で大きな話題を呼んでいる。
主人公のあみ子を演じるのは、応募総数330名のオーディションの中から見いだされた新星・大沢一菜(おおさわ・かな)。演技未経験ながら圧倒的な存在感で“あみ子の見ている世界”を体現し、現場の自由な空気の中でキャラクターをつかんでいった。両親役には、日本を代表する俳優である井浦 新と尾野真千子。監督は、大森立嗣監督をはじめ、日本映画界を牽引する監督たちの現場で助監督を務めてきた森井勇佑。原作と出会って以来、映画化を熱望してきた監督が、原作にはないオリジナルシーンやポップでグラフィカルな映像描写で新たな風を吹き込み、念願の監督デビューを果たす。そして、繊細な歌声とやわらかなクラシックギターの音色で聴く者を魅了し続け、国内だけでなく海外からも人気を集める音楽家、青葉市子が音楽を手がける。
あみ子はちょっと風変わりな女の子。優しいお父さん、いっしょに遊んでくれるお兄ちゃん、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいるお母さん、憧れの同級生のり君、たくさんの人に見守られながら元気いっぱいに過ごしていた。だが、彼女のあまりに純粋無垢な行動は、周囲の人たちを否応なく変えていくことになる。誕生日にもらった電池切れのトランシーバーに話しかけるあみ子。「応答せよ、応答せよ。こちらあみ子」―――。奇妙で滑稽で、でもどこか愛おしい人間たちのありようが生き生きと描かれていく。
ひとり残された家の廊下で。みんな帰ってしまった教室で。オバケと行進した帰り道で。いつも会話は一方通行で得体の知れないさびしさを抱えながらも、まっすぐに生きるあみ子の姿は、常識や固定概念に縛られ、生きづらさを感じている現代の私たちにとって、かつて自分が見ていたはずの世界を呼び覚ます。観た人それぞれがあみ子に共鳴し、いつの間にかあみ子と同化している感覚を味わえる映画がここに誕生した。
2011年6月16日生まれ、東京都出身。
本作で映画デビュー。
演技未経験ながら、オーディションで主役「あみ子」役に抜擢された。
1974年9月15日生まれ、東京都出身。
‘99年、『ワンダフルライフ』(是枝裕和監督)で俳優デビュー後、映画、テレビドラマなどで幅広く活動。『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(12/若松孝二監督)で第22回日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞、『かぞくのくに』(12/ヤン・ヨンヒ監督)で第55回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。近年では、『朝が来る』(20/河瀨直美監督)、『かそけきサンカヨウ』(21/今泉力哉監督)、『恋する寄生虫』(21/柿本ケンサク監督)、『ニワトリ☆フェニックス』(22/かなた狼監督)などに出演。アパレルブランド「ELNEST CREATIVE ACTIVITY」のディレクターを務めるほか、日本の伝統文化を繋げ拡げていく活動をおこなっている。
1981年11月4日生まれ、奈良県出身。
‘97年に河瀨直美監督の『萌の朱雀』で映画主演デビュー。2007年、同監督で主演を務めた『殯の森』が第60回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でグランプリを獲得。2009年、ヒロインを演じた広島発地域ドラマ「火の魚」(NHK広島)、2011年、平成23年度NHK連続テレビ小説「カーネーション」(NHK大阪)などに出演。主な映画出演作に『そして父になる』(13/是枝裕和監督)、『きみはいい子』(15/呉美保監督)、『影踏み』(19/篠原哲雄監督)、『台風家族』(19/市井昌秀監督)、『心の傷を癒すということ 劇場版』(21/市井昌秀監督)、『ヤクザと家族』(21/藤井道人監督)、『明日の食卓』(21/瀬々敬久監督)、『茜色に焼かれる』(21/石井裕也監督)などがある。2022年は、『ハケンアニメ!』(吉野耕平監督)、『20歳のソウル』(秋山純監督)、『サバカン SABAKAN』(金沢知樹監督)が控えている。
あみ子は何も悪くないのにな。
とある秘密にまつわるシーン、虫や生き物との戯れ、ちょっとやそっとではなかなか撮れない時間や空気をたくさん取り込んだ愉快で寂しい映画でした。応答せよ!応答せよ!
光みたいなあみ子に向ける自分のまなざしの汚れが酷く気になった。ただただ良いと思う映画と、良いけれど観ていて無性に悔しくなる映画がある。この作品は完全に後者だ。
誰にも分からない、あみ子だけの世界がある。"現実"という、冷たい水の水面を真っ直ぐ切り開いて力強く突き進む彼女にも優しい光があたるそんな世の中でありますように。
知りたくて、わかりたくて投げかけた問いに対して、みんなが静かに黙ってしまうのが何故なのか、わからないままでいた。何で忘れてしまっていたんだろう。よく見える、よく聞こえる、確かにそうだった時がある。もう何もかもがわかるようになってしまった私たちに、あの頃と同じ強さの光が降っていること、同じくらいたくさんの音が鳴っていることを、もう一度、思い出させてくれる。
私たちが何処かに置いてきてしまった世界の手触りを、あみ子は全身で掴んでぐしゃぐしゃにしてポイッと投げて、心の向く方へ叫び、好きなように戯れる。
そんなあみ子の姿が、日常で得ようとする共感やズレることへの恐ろしさこそ、見たいものを見えなくしてしまっているのだと言っているようで、胸がずきずきした。
目の前のでこぼこ、お兄ちゃんのハゲ、机の脚の冷たい触感、お母さんの黒子。世界が世界のまま、自分の心に届けばいいと、願う。
「こちらあみ子」を読んだ日から、私の中にはあみ子がいて、きつい眼差しで私を観察し続けている。その眼差しが本当にそのまま画面に写っていて、頭の中がまんま再現されてるはずなのに、いざ相対しても結局あみ子のことは全然わからないまま。それがとにかく嬉しかった。ねぇあみ子、頼むよあみ子と思うけれど、頼まれてくれないところがむしろ頼もしくって、きっと私は、あみ子に憧れているのだ。どこに?って、そりゃ、わたしだけのひみつじゃ。
あみ子を、子供たちを、僕は確かに知っていた。映画が終わり、闇の中から歌声が流れ始める時、子供たちの顔が浮かんでは歌の波間に消えていく。そして、大きな世界はゆっくりと開かれていくのだ、彼らのために、かつての僕らのために。
あみ子はうざい。でもあみ子をうざがることに罪悪感がある。だから遠ざけたくなる。さらに女の子だから、今後は清潔・朗らか・気配りも期待されるかもしれない。仮にそうした教育を徹底したら…社会に馴染めるかもしれないが、それは幸せなんだろうか。ずっと考えてしまう。
あみ子、あみ子。 あみ子と友達だったら 一緒にインド人するし、 側転のやり方教えてもらう。 大好きで何度も原作を読んでいたけど あの本の中のあみ子がちゃんとスクリーンの中にいた。 会えた事がとても嬉しかった。 あみ子のことを好きと思うことは自分の中のあみ子を肯定したいからかもしれないけど。あみ子。
作品を作るのはもちろん作者なのですがあまりにもすごい作品はほぼ呪いのように作者を縛ることがあって、この映画にもそういう印象を受けました。監督スタッフ俳優陣はこれから呪いと戦わないといけないようですね。すごい映画です。
わからないことと知らないこと。
私たちはしばしばこの二つを取り違え、ときに後戻りが難しくなるほどの隔たりを生んでしまう。
わかる、とは言えない。でも知ることならできるはずなのに。
あみ子の持つトランシーバーは隔たりの象徴だ。隔たりを抱えてなお誰かを「知りたい」と願う者たちのためのお守りなのだ。
あみ子の手からぼろぼろと滑りおちていくものを、息をつめながら見つめていました。
なんで?と思ったり、美味しい!と思ったりした、“今”その瞬間、その瞬間だけに生を重ね、瞬間の点を連ねて線にして生きているようなあみ子。
そんなふうにはとても瞬間を生きられない皆を、あみ子はただ不思議に思うだけなのだろう。
あみ子役の大沢一菜さんはこちらを拒絶もせず、共鳴もさせず、ものすごいバランスであみ子を演じていて、小説の読後感と同じ、ただあみ子が溢れてくるような佇まいでした。すごい。
かみ合わない会話、応答されなかったトランシーバー……。純粋に生きるものに対し、わたしたちのこの世界はあまりにもつめたい。
小さな体で世界の秘密に触れようとするあみ子。彼女の内なる自然が、広島の美しい風景と劇中の音楽に抱きしめられた時、なんて残酷でやさしい映画なんだと心の震えがとまらなかった。
小説刊行時に読んだときの気持ちがよみがえってきた。
あみ子はとても変わった子だけど、とても愛しい。
つながらないトランシーバーに「応答せよ、こちらあみ子」呼びかけるあみ子。悲しくて愛おしい。
真直ぐで自由な心は、他の人には迷惑で奇妙で不思議なお荷物に映ることが多い。
あみ子さん、かわいいけど実際近くにいたら, 困ったちゃんだな。
子供の頃は、多かれ少なかれ誰でも持っていることを思い出しながら、その気持ち、わかるのだけれどね、と観ながら何度も思いました。
自由に生きることの難しさと奇妙さ。
周りとの折り合いをつける気がない自由は時に孤立を生む。
しかし、無敵でもある。
今村夏子という作家が呼吸をするかのように生み出した文学。
その世界の中にいるあみ子の事を理解できたとはいい難い。
しかし映画を見たことで、あみ子に近づけた気がする。
本を読んだ後よりも、もう少しあみ子と仲良くなれた気がする。
あみ子の動きや表情や言葉から確かに伝わってくるものがあった。
やっと君の声が聞こえた。
そちらの状況はどうだい?
この映画を真っ直ぐに見つめていると掛けがえの無いむき出しの優しさが、あみ子の言葉や行動によってまぶしい光を放ちながら届く。そして溢れ出すままならない想いに、忘れかけていた生きる上での大切な何かを思い出す。それでも色んなものを乗り越えて受け入れて。あみ子は今でもあなたからの答えを待っている。
応答せよ、応答せよ
あみ子のコトを愛しく思ったり、たまーに嫌いになったり、の繰り返し
どこまでいってもあみ子はあみ子、あみ子、あみ子のカタマリ
最後に見ていた広島の海、漂う先に何があるのだろう
あみ子は、ただ、普通に生きているだけなのに、周囲の奇異な目。
あの、まっすぐなあみ子の目には、それらの風景は、どのように映っているのだろうか。
もどかしさにも似た、言葉では言い表せないこのやるせなさは、この映画を観ている人々にやがて感染し、作品全体を切なさで覆う。
このあとのあみ子の生きようを、私たちは、そっと、見守らねばならない。
原作の記憶を映像に見ようとして、途中でやめました。
私の中に私だけの「あみ子」がいるように、
映画には映像の中だけの「あみ子」がいて、
変化する精神と身体をもてあます目の前の「あみ子」を、
気づいたら自分の子どものように見ていました。
それは母性と簡単に呼べるような感情ではなく、
戸惑いと恐れと憎しみを含んだ、
めくるめく嵐のようないとおしさでした。
あの日に戻りたい
まだ歪んで無いあの日に。
そう思ってしまえれば楽なのに。
そんな考えを優しくねじ伏せる底知れない力が有りました。
何故か強く前に向かわせる作品。
不気味が気持ちいい。
「こちらあみ子」という声に誰も応答しない、のではないと気づいた時、私はあみ子の声の大きさの意味を知った気がした。
あみ子はとめどなく押し寄せる自分の世界から決して目をそらさず、自分の目で、声で、その世界に応答している。ひとりきりの世界は果てしないのに、前を見据え続けるあみ子の姿に全身が総毛立ち、彼女の目に映る世界のすべてを共有したい、そう切望せずにはいられませんでした。
少し風変わりで個性豊かなあみ子。
やさしい家族に見守られながら、のびのび自由に過ごしていた中、
純真な言動により周りの人と噛み合わず波風が寄せてくる。
他人とは違う側面は誰しも多かれ少なかれ持ち合わせるものなのに・・・。
応答を願うあみ子の目が限りなく透き通っているのが、救いでありどうしようもない切なさでした。
地域 | 劇場 | 電話番号 | ムビチケ 使用 |
ムビチケ 劇場販売 |
上映日程 |
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北海道 | サツゲキ | 011-221-3802 | ● | ● | 上映終了 |
北海道 | ディノスシネマズ旭川 | 0166-21-1233 | ● | 上映終了 | |
青森 | フォーラム八戸 | 0166-21-1233 | ● | 上映終了 | |
岩手 | 盛岡ルミエール | 019-625-7117 | ● | 上映終了 | |
山形 | フォーラム山形 | 023-632-3220 | ● | 上映終了 | |
山形 | フォーラム東根 | 0237-43-8061 | ● | 上映終了 | |
山形 | 鶴岡まちなかキネマ | 0235-64-1441 | 上映終了 | ||
宮城 | フォーラム仙台 | 022-728-7866 | ● | ● | 上映終了 |
福島 | フォーラム福島 | 024-533-1717 | ● | 上映終了 | |
東京 | 新宿武蔵野館 | 03-3354-5670 | ● | ● | 上映終了 |
東京 | 新宿シネマカリテ | 03-3352-5645 | ● | 上映終了 | |
東京 | ユーロスペース | 03-3461-0211 | ● | ● | 上映終了 |
東京 | ユーロスペース(アンコール上映) | 03-3461-0211 | ● | 上映終了 | |
東京 | 池袋シネマ・ロサ | 03-3986-3713 | ● | 上映終了 | |
東京 | 新文芸坐 | 03-3971-9422 | 上映終了 | ||
東京 | キネカ大森 | 03-3762-6000 | ● | 上映終了 | |
東京 | 下高井戸シネマ | 03-3328-1008 | 上映終了 | ||
東京 | kinocinema立川髙島屋S.C館 | 042-512-5162 | ● | ● | 上映終了 |
東京 | シネマ・チュプキ・タバタ | 03-6240-8725 | 上映終了 | ||
東京 | シモキタエキマエシネマK2 | 上映終了 | |||
東京 | 目黒シネマ | 03-3491-2557 | 上映終了 | ||
東京 | シネマネコ | 0428-28-0051 | 2024年1月19日(金)~ | ||
東京 | 第32回映画祭TAMA CINEMA FORUM(会場:パルテノン多摩小ホール) | 上映終了 | |||
神奈川 | kinocinema横浜みなとみらい | 045-264-4572 | ● | ● | 上映終了 |
神奈川 | 横浜シネマ・ジャック&ベティ | 045-243-9800 | ● | 上映終了 | |
神奈川 | イオンシネマ座間 | 0297-47-1788 | ● | 上映終了 | |
神奈川 | 川崎市アートセンター | 044-955-0107 | 上映終了 | ||
神奈川 | 鎌倉市川喜多映画記念館 | 0467-23-2500 | 上映終了 | ||
千葉 | ユナイテッド・シネマ幕張 | 043-213-3205 | ● | 上映終了 | |
千葉 | キネマ旬報シアター | 04-7141-7238 | ● | 上映終了 | |
千葉 | シネマイクスピアリ(キネマイクスピアリ内で上映) | 047-305-3811 | 上映終了 | ||
埼玉 | ユナイテッド・シネマウニクス南古谷 | 0570-783-190 | ● | 上映終了 | |
埼玉 | 深谷シネマ | 0570-783-190 | 上映終了 | ||
茨城 | イオンシネマ守谷 | 0297-47-0101 | ● | 上映終了 | |
茨城 | あまや座 | 029-212-7531 | 上映終了 | ||
栃木 | 宇都宮ヒカリ座 | 028-633-4445 | ● | 上映終了 | |
栃木 | 小山シネマロブレ | 050-3196-9000 | ● | 上映終了 | |
群馬 | シネマテークたかさき | 027-325-1744 | ● | 上映終了 | |
群馬 | シネマテークたかさき(高崎映画祭開催記念) | 027-325-1744 | 上映終了 | ||
群馬 | 第36回高崎映画祭 | 027-388-9649 | 上映終了 | ||
新潟 | 新潟シネ・ウインド | 025-243-5530 | 上映終了 | ||
長野 | 長野ロキシー | 026-232-3016 | ● | 上映終了 | |
長野 | 上田映劇 | 0268-22-0269 | ● | 上映終了 | |
長野 | 松本シネマセレクト(会場:まつもと市民芸術館小ホール) | 0263-98-4928 | 上映終了 | ||
静岡 | 静岡東宝会館 | 054-252-3887 | ● | 上映終了 | |
静岡 | シネマサンシャイン沼津 | 055-926-7712 | ● | ● | 上映終了 |
静岡 | シネマイーラ | 053-489-5539 | ● | 上映終了 | |
愛知 | シネマスコーレ | 052-452-6036 | 上映終了 | ||
愛知 | 伏見ミリオン座 | 052-264-8580 | ● | ● | 上映終了 |
愛知 | イオンシネマ豊田KiTARA | 0565-35-1751 | ● | 上映終了 | |
愛知 | ユナイテッド・シネマ豊橋18 | 0570-783-668 | ● | 上映終了 | |
愛知 | 刈谷日劇 | 0566-23-0624 | ● | 上映終了 | |
富山 | ほとり座 | 076-422-0821 | 上映終了 | ||
福井 | メトロ劇場 | 0776-22-1772 | ● | 上映終了 | |
石川 | シネモンド | 076-220-5007 | ● | 上映終了 | |
大阪 | テアトル梅田 | 06-6359-1080 | ● | ● | 上映終了 |
大阪 | シアターセブン | 06-4862-7733 | ● | 上映終了 | |
大阪 | シネ・ヌーヴォX | 06-6582-1416 | 上映終了 | ||
京都 | アップリンク京都 | 075-600-7890 | ● | ● | 上映終了 |
京都 | 京都みなみ会館 | 075-661-3993 | ● | 上映終了 | |
京都 | 出町座 | 075-203-9862 | ● | 上映終了 | |
兵庫 | 元町映画館 | 078-366-2636 | 上映終了 | ||
兵庫 | 塚口サンサン劇場 | 06-6429-3581 | ● | 上映終了 | |
奈良 | ユナイテッド・シネマ橿原 | 0744-26-2501 | ● | 上映終了 | |
和歌山 | イオンシネマ和歌山 | 073-452-6060 | ● | 上映終了 | |
岡山 | シネマ・クレール | 086-231-0019 | ● | 上映終了 | |
広島 | 八丁座 | 082-546-1158 | ● | ● | 上映終了 |
広島 | 広島バルト11 | 082-561-0600 | ● | 上映終了 | |
広島 | 呉ポポロシアター | 0823-21-5903 | ● | 上映終了 | |
広島 | T・ジョイ東広島 | 082-493-6781 | ● | ● | 上映終了 |
広島 | エーガル8シネマズ | 084-960-0084 | ● | ● | 上映終了 |
広島 | 福山駅前シネマモード | 084-932-3381 | ● | ● | 上映終了 |
広島 | シネマ尾道 | 0848-24-8222 | ● | 上映終了 | |
広島 | 広島国際映画祭2022(会場:NTTクレドホール) | 上映終了 | |||
島根 | Shimane Cinema Onozawa | 0856-25-7577 | 上映終了 | ||
愛媛 | シネマサンシャイン重信 | 089-990-1513 | ● | 上映終了 | |
香川 | ホール・ソレイユ | 087-861-3366 | ● | 上映終了 | |
徳島 | シネマサンシャイン北島 | 088-697-3111 | ● | 上映終了 | |
福岡 | kinocinema天神 | 092-406-7805 | ● | ● | 上映終了 |
福岡 | 福岡中洲大洋 | 092-291-4058 | ● | 上映終了 | |
大分 | シネマ5 | 097-536-4512 | ● | 上映終了 | |
大分 | 日田シネマテーク・リベルテ | 0973-24-7534 | ● | 上映終了 | |
大分 | 別府ブルーバード劇場 | 0977-21-1192 | 上映終了 | ||
大分 | 玉津東天紅 | 0978-25-4433 | 上映終了 | ||
佐賀 | シアター・シエマ | 0952-27-5116 | ● | 上映終了 | |
熊本 | Denkikan | 096-352-2121 | ● | 上映終了 | |
宮崎 | 宮崎キネマ館 | 0985-28-1162 | ● | 上映終了 | |
鹿児島 | ガーデンズシネマ | 099-222-8746 | ● | 上映終了 | |
沖縄 | 桜坂劇場 | 098-860-9555 | ● | 上映終了 |
コメント
COMMENT
今村夏子さんの原作小説をはじめて読んだときから、あみ子という存在が、僕の中に住み着いて離れなくなりました。それはたぶんあみ子に、僕の根っこの部分が共鳴したからなのだと思います。世界の輪郭はもっと、ぐにゃっとしていて、きらきらしていて、不気味で、粒だって生きいきしているのだということ。社会とは別に、そんな世界のありようがあるのだということ。この感覚を映画にしたいと思いました。
オーディション会場の待合室で、大沢一菜が椅子にただ座っている姿を見たとき、この子があみ子だとすぐに思いました。一菜の目はどこか遠くを見ていて、まるで僕には見えていないなにかを見ているかのようでした。
一菜はとても自由で、なににも縛られない、台風のような子です。彼女が撮影現場に現れると、ものすごい勢いで現場が沸き立ち動き出すのでした。僕たちは必死にそれを撮影しました。一菜やみんなと過ごした時間は、僕にとってかけがえのないものです。
あみ子はいまなにを思っていて、どんな景色が見えていて、どんな音が聞こえているのか。あみ子を取り巻く世界はどんなものなのか。みんなで目一杯想像しながら、たくさん遊んで作った宝物のような映画です。そんな時間も、公開とともにもうすぐ終わっていってしまうのかなと思うと、とても寂しいものがあります。でもそれと同時に、これからこの映画を観てくれる人たちとあみ子が、いったいどんな新しい出会いをするのか、とても楽しみでもあります。どうか良い出会いとなりますように。
どんなときも、どんなことでも。
そっと見守って、そっと聞かせて。
あみ子さんのまっすぐな心に寄り添えたらと、音を選びました。
劇場で公開されるのを楽しみに待っています。
「こちらあみ子」を書き始めたのは、
2008年の秋頃だったように思います。
思いっきり書くぞと決意して、その通りに書きました。
もう少し抑え気味にしたら良かった、
と若干後悔したほどです。
映画『こちらあみ子』の脚本の中には、原作にはない、
ひとりぼっちのあみ子を優しく包み込むようなシーンが
描かれています。
執筆から10年以上が経った今、
そのことをとても嬉しく思いました。
脚本を飛び出して、元気に笑ったり泣いたりする
あみ子の姿を見てみたいです。
映画の完成を楽しみにしています。