『こちらあみ子』公式ホームページ

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「応答せよ、応答せよ」あの頃の私が呼んでいる。「応答せよ、応答せよ」あの頃の私が呼んでいる。
2022年7月8日(金)新宿武蔵野館他全国順次公開

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解説&あらすじ
INTRO&STORY

たのしいこともさびしいことも
あみ子が教えてくれるのは、
私たちが“かつて見ていたはずの世界”

主人公は、広島に暮らす小学5年生のあみ子。少し風変わりな彼女のあまりに純粋な行動が、家族や同級生など周囲の人たちを否応なく変えていく過程を鮮やかに描き出す『こちらあみ子』。
原作は「むらさきのスカートの女」で第161回芥川賞を受賞した今村夏子が、2010年に発表した処女作「あたらしい娘」(のちに「こちらあみ子」に改題)。本作で太宰治賞、三島由紀夫賞をW受賞して以降、新作を発表するたびに現代文学ファンの間で大きな話題を呼んでいる。

主人公のあみ子を演じるのは、応募総数330名のオーディションの中から見いだされた新星・大沢一菜(おおさわ・かな)。演技未経験ながら圧倒的な存在感で“あみ子の見ている世界”を体現し、現場の自由な空気の中でキャラクターをつかんでいった。両親役には、日本を代表する俳優である井浦 新と尾野真千子。監督は、大森立嗣監督をはじめ、日本映画界を牽引する監督たちの現場で助監督を務めてきた森井勇佑。原作と出会って以来、映画化を熱望してきた監督が、原作にはないオリジナルシーンやポップでグラフィカルな映像描写で新たな風を吹き込み、念願の監督デビューを果たす。そして、繊細な歌声とやわらかなクラシックギターの音色で聴く者を魅了し続け、国内だけでなく海外からも人気を集める音楽家、青葉市子が音楽を手がける。

芥川賞受賞作家・今村夏子の
デビュー作を映画化
感情と感性を刺激する映像と共に描く
無垢で、時に残酷な少女のまなざし

あみ子はちょっと風変わりな女の子。優しいお父さん、いっしょに遊んでくれるお兄ちゃん、書道教室の先生でお腹には赤ちゃんがいるお母さん、憧れの同級生のり君、たくさんの人に見守られながら元気いっぱいに過ごしていた。だが、彼女のあまりに純粋無垢な行動は、周囲の人たちを否応なく変えていくことになる。誕生日にもらった電池切れのトランシーバーに話しかけるあみ子。「応答せよ、応答せよ。こちらあみ子」―――。奇妙で滑稽で、でもどこか愛おしい人間たちのありようが生き生きと描かれていく。

ひとり残された家の廊下で。みんな帰ってしまった教室で。オバケと行進した帰り道で。いつも会話は一方通行で得体の知れないさびしさを抱えながらも、まっすぐに生きるあみ子の姿は、常識や固定概念に縛られ、生きづらさを感じている現代の私たちにとって、かつて自分が見ていたはずの世界を呼び覚ます。観た人それぞれがあみ子に共鳴し、いつの間にかあみ子と同化している感覚を味わえる映画がここに誕生した。

スタッフ
STAFF

  • 監督・脚本:
    森井勇佑(もりい ゆうすけ)

    1985年兵庫県生まれ。日本映画学校 映像学科(現 日本映画大学)を卒業後、映画学校の講師だった長崎俊一監督の『西の魔女が死んだ』(08)で、演出部として映画業界に入る。以降、主に大森立嗣監督をはじめ、日本映画界を牽引する監督たちの現場で助監督を務め、本作で監督デビュー。
  • 原作:
    今村夏⼦(いまむら なつこ)

    1980年生まれ。広島県出身。2010年「あたらしい娘」(「こちらあみ子」に改題)で第26回太宰治賞を受賞し、デビュー。本作を含む同題作品集で第24回三島由紀夫賞を受賞した。16年には、文学ムック「たべるのがおそいvol.1」に発表した「あひる」が第155回芥川賞候補となる。17年、単行本「あひる」で第5回河合隼雄物語賞を受賞。「星の子」は第39回野間文芸新人賞を受賞したほか、第157回芥川賞候補、18年本屋大賞第7位。19年、「むらさきのスカートの女」で第161回芥川賞を受賞した。
  • 音楽:
    青葉市子(あおば いちこ)

    音楽家。1990年1月28日生まれ。
    2010年にファーストアルバム『剃刀乙女』を発表以降、これまでに7枚のオリジナルアルバムをリリース。うたとクラシックギターをたずさえ、国内外で活動中。近年はラジオDJやナレーション、CM・舞台音楽の制作、芸術祭でのインスタレーション作品発表など、さまざまなフィールドで創作を行う。自主レーベル「hermine」(エルミン)より、体温の宿った幻想世界を描き続けている。最新作は、”架空の映画のためのサウンドトラック”『アダンの風』。
    http://www.ichikoaoba.com
    https://hermine.jp/
森井勇佑

監督インタビュー
森井勇佑

  • ―――原作小説との出会いを教えてください。

    はじめて読んだのは20代後半くらいの頃でした。読み終わった直後は、自分の感情をうまく言語化することができませんでした。打ちのめされたような気分でした。小説を読んでこんな気持ちになったことははじめてです。心のどこかに穴がぽっかり空いたような感じです。それからは、自分の中にあみ子が住み着いたといいますか、ことあるごとにあみ子のことを考えていました。次第に、映画にしたいと思うようになっていきました。

    ―――それからしばらくして、映画監督デビューが決まります。

    僕はずっと映画の助監督をやってきたのですが、1つの現場が終わったら、次の現場、そのまた次の現場…‥現場を渡り歩くことになり、そこで求められることは現場をいかに上手に回せるかとか、いかに大きな声が出せるかとかで、ぼくはそういうことが基本的にはダメだったんです。このままで良いのかなと思っていたところ、大森(立嗣)さんの映画の助監督をやった流れで仕上げ作業にもつかせてもらうことになって、これをきっかけにこのサイクルから一旦外れてみたいと思いました。基本的には大森さんの映画の助監督をやり、映画と映画の合間に、プロデューサーの近藤(貴彦)さんの事務所で大森さんと脚本を書いたり映画の話をしたりして過ごしました。四六時中映画の話ができるのがとにかく嬉しかったのと、大森さんの映画の企画のはじまりから配給まで全部の行程をそばで見れたことはとても大きな経験でした。あるときからどうしたら僕が監督になれるかという話をだんだん2人がしてくれるようになって。ある日ぼくから近藤さんに、読んでみてくれませんかと『こちらあみ子』を渡しました。しばらくたってから近藤さんが、映画にしたい、と言ってくれたのがはじまりです。

    ―――そして脚本執筆が始まるわけですが、小説を脚本に落とし込む際、どんなことを意識されましたか。

    原作で描かれている、あみ子の見ている世界と、逆にあみ子には見えていない世界のことを、どういった映画の文体で描くべきかということを意識しました。原作の描写をそのままトレースしても、そのまま映画の文体にはならないと思ったので、ひとつひとつのシーンの絵を、明確に描写することには気を配りました。できるだけ視覚的にイメージしやすいように脚本は書いていったつもりです。それと同時に、音にも気をつけたかったので、例えば、「トウモロコシがぼとりと落ちる」とか「土足のままドカドカと上がり込んでくる」とか、擬音を比較的多く使って書きました。これも、脚本を読んでもらうスタッフに音をイメージしてもらいやすくするためです。映画は絵と音のイメージで出来ているということを意識しました。
  • ―――あみ子役の大沢一菜さんとの出会いについて教えてください。

    一菜には一目惚れでした。オーディションの会場ではじめて見たとき、すごく直感的に、この子だと思えました。一菜の顔には謎があるんです。この子を撮りたいと直感的に強く思えたのが選んだ理由です。

    ―――現場での一菜さんはいかがでしたか。

    毎日大暴れしておりました。とんでもないエネルギーでした。毎朝、絶叫しながら現場にやってきて、スタッフ全員の腹を平等にパンチして回ります。それが朝の挨拶でした。全員に平等にパンチするところが律儀でステキなところです(笑)。それはまるで一菜なりに、現場で自分が緊張しないためにやっているかのようで、ルーティンを自分なりに見つけていたのだと思います。現場の雰囲気もそれがあることによってとても和みました。いい俳優は、現場で緊張しないために自分なりの現場の居方を見つけていくものだと思いますが、一菜には天性でそういう素質があるのではないかと思います。そうやって大騒ぎしていたかと思ったら、カメラをまわしはじめるときにはスッと僕がお願いした通りにやってくれました。テイクを重ねることは極度に嫌いましたが(笑)。なので僕らも極力テイクを重ねないように集中してやりました。それでもどうしてもテイクを重ねなければいけないところはあって、一菜も「なんでー!」と言いながらがんばってやってくれました。でも坊主頭との教室での長いお芝居のシーンはたくさんのテイクを重ねましたが、自然とあまり抵抗はありませんでした。一菜もきっと本能的に、あのシーンがどんなものかわかっていたのではないでしょうか。いまだにぼくは、あのシーンで一菜がどうしてあのような表情をしたのかわかりません。ぼくからは表情の指定や声の出し方などの指定は一切していません。何度見ても、あの表情には奇跡が起こっていたなと思います。
    ちなみに一菜は午後には必ず眠くなってしまいました。なのでそのくらいの時間になるとお昼寝タイムにしていました。ぼくらスタッフも一緒に昼寝したりしました。撮影のない日にはスタッフと一菜で一緒に遊んだりしました。一菜は自由でとても優しい子で、スタッフみんな一菜のとりこでした。
  • ―――小学生の頃のはつらつとした表情と、中学にあがってからの切ない表情のギャップがいいですよね。

    撮影中、一菜の表情の豊かさには何度もハッとさせられました。撮影の序盤、お母さんに怒られている顔のアップを真正面から撮ったとき、映画の中で何回かこういう真正面から撮った一菜を撮っていこうと思いました。一菜の顔には謎がありました。謎がある人の顔を撮れるのはとても幸福なことです。
    中学生時代の表情がちょっと違って見えるのは、バッサリ髪を切ったこととか、制服の襟が落ち着かないこととか色々理由はあったかと思うのですが、お母さん役の尾野(真千子)さんがクランクアップして、スーッと現場からいなくなったのが大きいのではないかと思います。(あえて現場ではアップのコールなどは控えていました。)それまで2人はだいぶ親密になっていたので、寂しかったんだろうなと。ただ一菜は決して寂しいとは口に出しては言わないタイプでした。口に出さないことで、滲み出してくるものがもしかしたらあったのかもしれません。

    ―――子どもたちとの現場では、どのようなところに気を配りましたか。

    とにかく現場を遊びの場としてとらえてもらうこと。自分たちスタッフも楽しむこと。昼寝の時間を取ること。そういったことは、すべて子供たちの自由さを制限しないようにするためです。それから、あみ子、のり君、坊主頭、の3人にはそれぞれにお芝居のつけ方を変えていきました。あみ子には心情的なことは伝えず動きだけ、坊主頭には心情の説明や“間”などを細かく伝えて、のり君には「我慢する役だから怒りを溜めて、発散するな」とひたすら我慢させました。のり君役の大関はほっとくとすぐ誰よりもはしゃいでしまうので、少し役作りしてもらいました(笑)。
    現場的にはあまり物々しくならないようにとか、効率を優先して進行しないとか、映画の現場っぽくならないようにゆるい雰囲気をできるだけ損ねないように常に意識していました。撮影の岩永(洋)君も大きな照明をあてなかったり、厳密な立ち位置指定をしなかったり。テストをやるとすぐに子供達が飽きてしまうのでセッティングができるといきなり本番でやらせてもらうことが多かったです。こういうときに一番大変なのは録音部ですが、録音の小牧さんはとても柔軟に音を録ってくれました。そんなゆるい空気の中でもやれたのはスタッフのみんながそれだけ優秀だったからでもあると思います。
  • ―――そして、青葉市子さんが今回初めて映画音楽を手掛けたことも話題になっています。

    2年くらい前にシナハンみたいな感じで広島を1週間くらい1人でぶらぶら歩き続けたのですが、そのときにずっと青葉さんの音楽を聴いていました。青葉さんの音楽によって自分の中のあみ子へのイメージに一本筋が通っていったようなところがあって、音楽をお願いするなら青葉さん以外には考えられませんでした。青葉さんの音楽には、あの世とこの世の しきい が低いといいますか、不思議な感覚があります。そんな感覚がこの映画にぴったりだと思いました。青葉さんには導いてもらった感覚が強いです。青葉さんにお願いする前の、シナリオを直している段階から実はそれはすでにはじまっていて、実際に音楽を作ってもらう中でも、その音や会話した内容に導かれていきました。この映画にとって、青葉さんという存在はとても大きいです。

    ―――劇中の“音”の聞こえ方には相当こだわられたとうかがいました。

    この映画のイメージが、粒だった粒子の集まりのような感じでした。あみ子や他の登場人物や、虫とかカエルとかオバケとかのそれぞれの存在が、独立して粒だっているような、そういったバラバラな粒子の集まりがざわざわしている映画にしたいと思っていました。そのためには音が粒立つ必要がありました。足音や物音や画面の外の音など、いろんなものをあえて大きめにたくさん入れています。それは子供のときには、大人になった今よりも、もっと色んな音がざわざわ聞こえていたんじゃないかという思いからでもあります。音は映画において、もっとも重要な要素だと思います。

    ―――最後にメッセージをお願いします。

    あみ子は、世界に直接触れようとしているのではないかと僕は思っています。あみ子の触れようとしている世界の手触りは粒立って生き生きとしています。そんな感触をこの映画で描ければと思いました。社会は言語化を強いますが、世界は言語化できない未知なものをたくさん含んでいるのだと思います。そういったことを信じてこの映画を作りました。楽しんで見てもらえればと思います。よろしくお願いいたします。

出演者
CAST

  • 大沢一菜大沢一菜

    大沢一菜(おおさわ かな)
    あみ子役

    2011年6月16日生まれ、東京都出身。
    本作で映画デビュー。

    演技未経験ながら、オーディションで主役「あみ子」役に抜擢された。

  • 井浦新井浦新

    井浦 新(いうら あらた)
    お父さん・哲郎役

    1974年9月15日生まれ、東京都出身。
    ‘99年、『ワンダフルライフ』(是枝裕和監督)で俳優デビュー後、映画、テレビドラマなどで幅広く活動。『11・25自決の日 三島由紀夫と若者たち』(12/若松孝二監督)で第22回日本映画プロフェッショナル大賞主演男優賞、『かぞくのくに』(12/ヤン・ヨンヒ監督)で第55回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。近年では、『朝が来る』(20/河瀨直美監督)、『かそけきサンカヨウ』(21/今泉力哉監督)、『恋する寄生虫』(21/柿本ケンサク監督)、『ニワトリ☆フェニックス』(22/かなた狼監督)などに出演。アパレルブランド「ELNEST CREATIVE ACTIVITY」のディレクターを務めるほか、日本の伝統文化を繋げ拡げていく活動をおこなっている。

  • 尾野真千子尾野真千子

    尾野真千子(おの まちこ)
    お母さん・さゆり役

    1981年11月4日生まれ、奈良県出身。
    ‘97年に河瀨直美監督の『萌の朱雀』で映画主演デビュー。2007年、同監督で主演を務めた『殯の森』が第60回カンヌ国際映画祭コンペティション部門でグランプリを獲得。2009年、ヒロインを演じた広島発地域ドラマ「火の魚」(NHK広島)、2011年、平成23年度NHK連続テレビ小説「カーネーション」(NHK大阪)などに出演。主な映画出演作に『そして父になる』(13/是枝裕和監督)、『きみはいい子』(15/呉美保監督)、『影踏み』(19/篠原哲雄監督)、『台風家族』(19/市井昌秀監督)、『心の傷を癒すということ 劇場版』(21/市井昌秀監督)、『ヤクザと家族』(21/藤井道人監督)、『明日の食卓』(21/瀬々敬久監督)、『茜色に焼かれる』(21/石井裕也監督)などがある。2022年は、『ハケンアニメ!』(吉野耕平監督)、『20歳のソウル』(秋山純監督)、『サバカン SABAKAN』(金沢知樹監督)が控えている。

コメント
COMMENT

  • 今村夏子さんの原作小説をはじめて読んだときから、あみ子という存在が、僕の中に住み着いて離れなくなりました。それはたぶんあみ子に、僕の根っこの部分が共鳴したからなのだと思います。世界の輪郭はもっと、ぐにゃっとしていて、きらきらしていて、不気味で、粒だって生きいきしているのだということ。社会とは別に、そんな世界のありようがあるのだということ。この感覚を映画にしたいと思いました。

    オーディション会場の待合室で、大沢一菜が椅子にただ座っている姿を見たとき、この子があみ子だとすぐに思いました。一菜の目はどこか遠くを見ていて、まるで僕には見えていないなにかを見ているかのようでした。

    一菜はとても自由で、なににも縛られない、台風のような子です。彼女が撮影現場に現れると、ものすごい勢いで現場が沸き立ち動き出すのでした。僕たちは必死にそれを撮影しました。一菜やみんなと過ごした時間は、僕にとってかけがえのないものです。

    あみ子はいまなにを思っていて、どんな景色が見えていて、どんな音が聞こえているのか。あみ子を取り巻く世界はどんなものなのか。みんなで目一杯想像しながら、たくさん遊んで作った宝物のような映画です。そんな時間も、公開とともにもうすぐ終わっていってしまうのかなと思うと、とても寂しいものがあります。でもそれと同時に、これからこの映画を観てくれる人たちとあみ子が、いったいどんな新しい出会いをするのか、とても楽しみでもあります。どうか良い出会いとなりますように。

    森井勇佑
  • どんなときも、どんなことでも。
    そっと見守って、そっと聞かせて。
    あみ子さんのまっすぐな心に寄り添えたらと、音を選びました。
    劇場で公開されるのを楽しみに待っています。

    青葉市子
  • 「こちらあみ子」を書き始めたのは、
    2008年の秋頃だったように思います。

    思いっきり書くぞと決意して、その通りに書きました。

    もう少し抑え気味にしたら良かった、
    と若干後悔したほどです。

    映画『こちらあみ子』の脚本の中には、原作にはない、
    ひとりぼっちのあみ子を優しく包み込むようなシーンが
    描かれています。

    執筆から10年以上が経った今、
    そのことをとても嬉しく思いました。

    脚本を飛び出して、元気に笑ったり泣いたりする
    あみ子の姿を見てみたいです。

    映画の完成を楽しみにしています。

    今村夏子

応援コメント

※敬称略・五十音順

あみ子は何も悪くないのにな。
とある秘密にまつわるシーン、虫や生き物との戯れ、ちょっとやそっとではなかなか撮れない時間や空気をたくさん取り込んだ愉快で寂しい映画でした。応答せよ!応答せよ!

今泉力哉
映画監督

光みたいなあみ子に向ける自分のまなざしの汚れが酷く気になった。ただただ良いと思う映画と、良いけれど観ていて無性に悔しくなる映画がある。この作品は完全に後者だ。

尾崎世界観
ミュージシャン

誰にも分からない、あみ子だけの世界がある。"現実"という、冷たい水の水面を真っ直ぐ切り開いて力強く突き進む彼女にも優しい光があたるそんな世の中でありますように。

清川あさみ
アーティスト

知りたくて、わかりたくて投げかけた問いに対して、みんなが静かに黙ってしまうのが何故なのか、わからないままでいた。何で忘れてしまっていたんだろう。よく見える、よく聞こえる、確かにそうだった時がある。もう何もかもがわかるようになってしまった私たちに、あの頃と同じ強さの光が降っていること、同じくらいたくさんの音が鳴っていることを、もう一度、思い出させてくれる。

國松絵梨
詩人

私たちが何処かに置いてきてしまった世界の手触りを、あみ子は全身で掴んでぐしゃぐしゃにしてポイッと投げて、心の向く方へ叫び、好きなように戯れる。
  そんなあみ子の姿が、日常で得ようとする共感やズレることへの恐ろしさこそ、見たいものを見えなくしてしまっているのだと言っているようで、胸がずきずきした。
  目の前のでこぼこ、お兄ちゃんのハゲ、机の脚の冷たい触感、お母さんの黒子。世界が世界のまま、自分の心に届けばいいと、願う。

駒井蓮
俳優

「こちらあみ子」を読んだ日から、私の中にはあみ子がいて、きつい眼差しで私を観察し続けている。その眼差しが本当にそのまま画面に写っていて、頭の中がまんま再現されてるはずなのに、いざ相対しても結局あみ子のことは全然わからないまま。それがとにかく嬉しかった。ねぇあみ子、頼むよあみ子と思うけれど、頼まれてくれないところがむしろ頼もしくって、きっと私は、あみ子に憧れているのだ。どこに?って、そりゃ、わたしだけのひみつじゃ。

長井短
俳優

あみ子を、子供たちを、僕は確かに知っていた。映画が終わり、闇の中から歌声が流れ始める時、子供たちの顔が浮かんでは歌の波間に消えていく。そして、大きな世界はゆっくりと開かれていくのだ、彼らのために、かつての僕らのために。

奈良美智
美術家

あみ子はうざい。でもあみ子をうざがることに罪悪感がある。だから遠ざけたくなる。さらに女の子だから、今後は清潔・朗らか・気配りも期待されるかもしれない。仮にそうした教育を徹底したら…社会に馴染めるかもしれないが、それは幸せなんだろうか。ずっと考えてしまう。

冬野梅子
漫画家

あみ子、あみ子。 あみ子と友達だったら 一緒にインド人するし、 側転のやり方教えてもらう。 大好きで何度も原作を読んでいたけど あの本の中のあみ子がちゃんとスクリーンの中にいた。 会えた事がとても嬉しかった。 あみ子のことを好きと思うことは自分の中のあみ子を肯定したいからかもしれないけど。あみ子。

山本奈衣瑠
モデル・俳優

作品を作るのはもちろん作者なのですがあまりにもすごい作品はほぼ呪いのように作者を縛ることがあって、この映画にもそういう印象を受けました。監督スタッフ俳優陣はこれから呪いと戦わないといけないようですね。すごい映画です。

西崎憲
作家

わからないことと知らないこと。
私たちはしばしばこの二つを取り違え、ときに後戻りが難しくなるほどの隔たりを生んでしまう。
わかる、とは言えない。でも知ることならできるはずなのに。
あみ子の持つトランシーバーは隔たりの象徴だ。隔たりを抱えてなお誰かを「知りたい」と願う者たちのためのお守りなのだ。

倉本さおり
書評家

あみ子の手からぼろぼろと滑りおちていくものを、息をつめながら見つめていました。
なんで?と思ったり、美味しい!と思ったりした、“今”その瞬間、その瞬間だけに生を重ね、瞬間の点を連ねて線にして生きているようなあみ子。
そんなふうにはとても瞬間を生きられない皆を、あみ子はただ不思議に思うだけなのだろう。
あみ子役の大沢一菜さんはこちらを拒絶もせず、共鳴もさせず、ものすごいバランスであみ子を演じていて、小説の読後感と同じ、ただあみ子が溢れてくるような佇まいでした。すごい。

坂井絵里
今野書店

かみ合わない会話、応答されなかったトランシーバー……。純粋に生きるものに対し、わたしたちのこの世界はあまりにもつめたい。
小さな体で世界の秘密に触れようとするあみ子。彼女の内なる自然が、広島の美しい風景と劇中の音楽に抱きしめられた時、なんて残酷でやさしい映画なんだと心の震えがとまらなかった。

辻山良雄
書店「Title」店主

小説刊行時に読んだときの気持ちがよみがえってきた。
あみ子はとても変わった子だけど、とても愛しい。
つながらないトランシーバーに「応答せよ、こちらあみ子」呼びかけるあみ子。悲しくて愛おしい。

川俣めぐみ
紀伊國屋書店 横浜店

真直ぐで自由な心は、他の人には迷惑で奇妙で不思議なお荷物に映ることが多い。
あみ子さん、かわいいけど実際近くにいたら, 困ったちゃんだな。
子供の頃は、多かれ少なかれ誰でも持っていることを思い出しながら、その気持ち、わかるのだけれどね、と観ながら何度も思いました。

佐伯敦子
有隣堂 藤沢店

自由に生きることの難しさと奇妙さ。
周りとの折り合いをつける気がない自由は時に孤立を生む。
しかし、無敵でもある。

今村夏子という作家が呼吸をするかのように生み出した文学。
その世界の中にいるあみ子の事を理解できたとはいい難い。
しかし映画を見たことで、あみ子に近づけた気がする。
本を読んだ後よりも、もう少しあみ子と仲良くなれた気がする。
あみ子の動きや表情や言葉から確かに伝わってくるものがあった。

やっと君の声が聞こえた。
そちらの状況はどうだい?

江藤宏樹
広島 蔦屋書店

この映画を真っ直ぐに見つめていると掛けがえの無いむき出しの優しさが、あみ子の言葉や行動によってまぶしい光を放ちながら届く。そして溢れ出すままならない想いに、忘れかけていた生きる上での大切な何かを思い出す。それでも色んなものを乗り越えて受け入れて。あみ子は今でもあなたからの答えを待っている。

山本亮
大盛堂書店 駅前店

応答せよ、応答せよ
あみ子のコトを愛しく思ったり、たまーに嫌いになったり、の繰り返し
どこまでいってもあみ子はあみ子、あみ子、あみ子のカタマリ
最後に見ていた広島の海、漂う先に何があるのだろう

森下美穂
ジュンク堂書店 池袋本店

あみ子は、ただ、普通に生きているだけなのに、周囲の奇異な目。
あの、まっすぐなあみ子の目には、それらの風景は、どのように映っているのだろうか。
もどかしさにも似た、言葉では言い表せないこのやるせなさは、この映画を観ている人々にやがて感染し、作品全体を切なさで覆う。
このあとのあみ子の生きようを、私たちは、そっと、見守らねばならない。

江連聡美
芳林堂書店高田馬場店

原作の記憶を映像に見ようとして、途中でやめました。
私の中に私だけの「あみ子」がいるように、 映画には映像の中だけの「あみ子」がいて、 変化する精神と身体をもてあます目の前の「あみ子」を、 気づいたら自分の子どものように見ていました。
それは母性と簡単に呼べるような感情ではなく、 戸惑いと恐れと憎しみを含んだ、 めくるめく嵐のようないとおしさでした。

大塚真祐子
三省堂書店 成城店

あの日に戻りたい
まだ歪んで無いあの日に。
そう思ってしまえれば楽なのに。
そんな考えを優しくねじ伏せる底知れない力が有りました。
何故か強く前に向かわせる作品。
不気味が気持ちいい。

松本大
喜久屋書店 松戸店

「こちらあみ子」という声に誰も応答しない、のではないと気づいた時、私はあみ子の声の大きさの意味を知った気がした。
あみ子はとめどなく押し寄せる自分の世界から決して目をそらさず、自分の目で、声で、その世界に応答している。ひとりきりの世界は果てしないのに、前を見据え続けるあみ子の姿に全身が総毛立ち、彼女の目に映る世界のすべてを共有したい、そう切望せずにはいられませんでした。

鳥羽遼太郎
紀伊國屋書店 新宿本店

少し風変わりで個性豊かなあみ子。
やさしい家族に見守られながら、のびのび自由に過ごしていた中、 純真な言動により周りの人と噛み合わず波風が寄せてくる。

他人とは違う側面は誰しも多かれ少なかれ持ち合わせるものなのに・・・。

応答を願うあみ子の目が限りなく透き通っているのが、救いでありどうしようもない切なさでした。

山上裕里子
ジュンク堂書店 藤沢店

特報
TRAILER

  • 映画『こちらあみ子』予告編
  • 映画『こちらあみ子』特報
  • 超特報/
    「お兄ちゃんとセッション。」編
  • 超特報/
    「あみ子、だんご虫をさわる。」編
  • 超特報/
    「あみ子、川であそぶ。」編

劇場情報
TEATERS

2022年10月4日現在
※上映劇場・日程が変更となる場合がありますので、
鑑賞の前に必ず各劇場にご確認ください。
地域 劇場 電話番号 ムビチケ
使用
ムビチケ
劇場販売
上映日程
北海道 サツゲキ 011-221-3802 上映終了
北海道 ディノスシネマズ旭川 0166-21-1233 上映終了
青森 フォーラム八戸 0166-21-1233 上映終了
岩手 盛岡ルミエール 019-625-7117 上映終了
山形 フォーラム山形 023-632-3220 上映終了
山形 フォーラム東根 0237-43-8061 上映終了
宮城 フォーラム仙台 022-728-7866 上映終了
福島 フォーラム福島 024-533-1717 上映終了
東京 新宿武蔵野館 03-3354-5670 上映終了
東京 新宿シネマカリテ 03-3352-5645 上映終了
東京 ユーロスペース 03-3461-0211 上映終了
東京 池袋シネマ・ロサ 03-3986-3713 上映終了
東京 キネカ大森 03-3762-6000 10月28日(金)から
東京 kinocinema立川髙島屋S.C館 042-512-5162 上映終了
東京 シネマ・チュプキ・タバタ 03-6240-8725 上映終了
東京 シモキタエキマエシネマK2 上映終了
神奈川 kinocinema横浜みなとみらい 045-264-4572 上映終了
神奈川 横浜シネマ・ジャック&ベティ 045-243-9800 10月15日(土)から
神奈川 イオンシネマ座間 0297-47-1788 上映終了
神奈川 川崎市アートセンター 044-955-0107 上映終了
千葉 ユナイテッド・シネマ幕張 043-213-3205 上映終了
千葉 キネマ旬報シアター 04-7141-7238 上映中
埼玉 ユナイテッド・シネマウニクス南古谷 0570-783-190 上映終了
茨城 イオンシネマ守谷 0297-47-0101 上映終了
茨城 あまや座 029-212-7531 上映終了
栃木 宇都宮ヒカリ座 028-633-4445 上映中
栃木 小山シネマロブレ 050-3196-9000 10月7日(金)から
群馬 シネマテークたかさき 027-325-1744 上映終了
新潟 新潟シネ・ウインド 025-243-5530 順次公開予定
長野 長野ロキシー 026-232-3016 上映終了
長野 上田映劇 0268-22-0269 上映終了
長野 松本シネマセレクト(会場:まつもと市民芸術館小ホール) 0263-98-4928 10月22日(土)のみ
静岡 静岡東宝会館 054-252-3887 上映終了
静岡 シネマサンシャイン沼津 055-926-7712 上映終了
静岡 シネマイーラ 053-489-5539 上映終了
愛知 伏見ミリオン座 052-264-8580 上映終了
愛知 イオンシネマ豊田KiTARA 0565-35-1751 上映終了
愛知 ユナイテッド・シネマ豊橋18 0570-783-668 上映終了
愛知 刈谷日劇 0566-23-0624 上映終了
富山 ほとり座 076-422-0821 上映終了
福井 メトロ劇場 0776-22-1772 10月15日(土)から
石川 シネモンド 076-220-5007 上映終了
大阪 テアトル梅田 06-6359-1080 上映終了
大阪 シアターセブン 06-4862-7733 10月7日(金)まで
大阪 シネ・ヌーヴォX 06-6582-1416 10月8日(土)から
京都 アップリンク京都 075-600-7890 上映終了
京都 出町座 075-203-9862 10月13日(木)まで
兵庫 元町映画館 078-366-2636 上映終了
兵庫 塚口サンサン劇場 06-6429-3581 上映終了
奈良 ユナイテッド・シネマ橿原 0744-26-2501 上映終了
和歌山 イオンシネマ和歌山 073-452-6060 上映終了
岡山 シネマ・クレール 086-231-0019 上映終了
広島 八丁座 082-546-1158 上映終了
広島 広島バルト11 082-561-0600 上映終了
広島 呉ポポロシアター 0823-21-5903 上映終了
広島 T・ジョイ東広島 082-493-6781 上映終了
広島 エーガル8シネマズ 084-960-0084 上映終了
広島 福山駅前シネマモード 084-932-3381 上映終了
広島 シネマ尾道 0848-24-8222 上映終了
島根 Shimane Cinema Onozawa 0856-25-7577 上映終了
愛媛 シネマサンシャイン重信 089-990-1513 上映終了
香川 ホール・ソレイユ 087-861-3366 10月13日(木)まで
徳島 シネマサンシャイン北島 088-697-3111 上映終了
福岡 kinocinema天神 092-406-7805 上映終了
福岡 福岡中洲大洋 092-291-4058 10月6日(木)まで
大分 シネマ5 097-536-4512 上映終了
大分 日田シネマテーク・リベルテ 0973-24-7534 上映終了
大分 別府ブルーバード劇場 0977-21-1192 10月6日(木)まで
大分 玉津東天紅 0978-25-4433 10月22日(土)から
佐賀 シアター・シエマ 0952-27-5116 上映終了
熊本 Denkikan 096-352-2121 上映終了
宮崎 宮崎キネマ館 0985-28-1162 上映終了
鹿児島 ガーデンズシネマ 099-222-8746 上映終了
沖縄 桜坂劇場 098-860-9555 上映終了
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